むしゃくしゃした金曜日の夜。
絃花(いとは)は以前から興味があった女性用風俗に電話をする。

セラピストとしてやってきたのはかつての腐れ縁同級生の明爾(めいじ)。
カースト上位のチャラ男で、たいして絃花は陰キャ女子だった。
幼稚園から高校まで同じ学校だったにもかかわらずまったく接点がなかった二人だが、ここでとんでもない再会を果たしてしまう。
咄嗟に「タマキ」と嘘の名前をかたった絃花は、甲斐甲斐しく紳士に触れてくる明爾の施術に安心しきっていた。

――ところが。

「すーぐイっちゃうし、すーぐアヘ顔なっちゃう。相変わらず生意気だけど、身体は可愛いねぇ……絃花ちゃん」

途端に豹変し、明爾はドSに攻めてくる。

「いつもすましたその顔も、ここもぐっちゃぐちゃにしてやる。だからちゃんと聞かせてくれよな、敗者の喘ぎ声ってやつを」

負けたくないのに喘がされて気持ちよくされて負けてしまう。
イきたくないのにイかされてしまう。
もう二度と会いたくないのに会うために電話をかけてしまう。

そんなドSセラピストと社畜女子の攻防戦。